中央市(旧豊富村)道の駅とよとみ
中央自動車道甲府南インターを出て笛吹川に沿いながら南下していく。甲府盆地のほぼ中央に位置する。雄大な甲斐の山々を背景に視線は遠くまで伸びていくのが特徴で遠くには八ヶ岳の長いすそ野も望める。菓子メーカーの巨大な工場もあったりして思わず直売所を探しているのが我ながら可笑しい。
国道140号線はなだらかな一本道。途中左手に上る標識は「みたまの湯」と出ている。目指すところはその先すぐ。相変わらず車の出入りが多い場所だ。ここが「道の駅とよとみ」。かつて全国一の道の駅になったこともあるこの道の駅は地場の新鮮野菜が並び午前中にはほぼ売り切れてしまうという。
- 賑わいを見せる道の駅とよとみ
- ボリューム満点のカツカレーは人気
運よく車を止められ早速品定め。その日は週末のお出かけ日和とあって駐車場所がほぼ満車だった。お目当ての春ブロッコリーは店内を2周しているともう売り切れてしまっていた。外に出てみると日なたで一心に筆を動かす人がいた。2千円以上買い物をすると色紙に書画を書いてくれるという。
- 筆さばきも鮮やかな書家
求めに応じて家族の健康や人生訓をしたためていたのだった。私も何か記念にと買い物のレシートを持ってその列に並んだ。どんな文言がいいのだろか…。
訪ねた当日は風も日差しもそれほど強くもない穏やかや春の日だ。この4月初めは二十四節気のひとつに「清明」と名付けられている。ひとつの峠を超えてその先にある清らかで明るい時節。そこでわたしは書家にこう記していただいたのだった。
「清明郷 道の駅とよとみ」。
- 筆さばきも鮮やかな書家
そうだ。いろいろな界隈を訪ねるこのコーナーのタイトルにこそふさわしい、とわたしは合点した。おもに県外者に向けて情報発信するこの場を「清明郷」と名付けよう。それはまた、埋もれた地域の魅力を発掘していく考古学的な旅でもある。(つづく